ITプロジェクトマネジメント学習

実践や学んだ内容のメモ

PMP合格プロセス(2023年取得)

はじめに

 現在プロジェクトマネージャーの方、プロジェクトマネージャーを目指している方にとってPMPの資格取得はおすすめです。  プロジェクトマネージャーの国際資格であり、世界的に認知度が高いものとなります。

 後述より、私がPMPの資格を取ったときに実践していたことを紹介していきます。



そもそもPMPとは?

PMPとは、Project Management Professional の略で、米国で設立されたプロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定している国際資格となります。 こちらの資格は、「 IT 」だけではなく、プロジェクトを取り扱う全ての業種で有効となります。

PMPの受験費用は、他のサイトにもたくさん載っているためこちらでは、学習プロセスのみにフォーカスいたします。



学習プロセス

#1 必須研修を受講する(35時間)

最初にPMBOKについて、学ぶためには本などで勉強するよりも、35時間の必須研修を受けることを推奨します。 (筆者は、研修後に本などで学んだ方が効率が良いと考えてます。)

私は、費用を抑えるため、セール期間を狙い、Udemyの「PMP Certification Exam Preparation (PMBOK + Practice Exams) | Udemy」を受講しました。 www.udemy.com

英語での対応となりますが、日本語翻訳も可能なので、料金を抑えたい方にはおすすめです。 (値段は2000円弱で受けられたと思います。。)



#2 本の熟読(PMBOK第7版、アジャイル実務ガイドライン

研修で必要な情報を入れた上での本での学習は、基礎知識をつけるために有効です。

私が利用した本は下記にリンクをつけておきます。 (なかなか値段が張りますが、PMP第7版に関しては、PMI会員になることで電子書籍を閲覧することが可能です。)



#3 問題を解く

問題を解くことで、知識をさらに深めていきました。

私が利用したサービスはこちらになります。

【【第6版&新試験対応!!】PMP試験対策・合格編】無料携帯過去問/暗記/単語帳アプリ

pmana.jp

こちらに関しては、試験前日にPMBOK第7版対応のものを見つけて、実施するか迷いましたが、一旦こちらのみの利用としました。

PMBOK第7版対応のものはこちらになります。

PMP®試験・アジャイル実務編(第7版&新試験対応) - 豆検 MAMEKEN

mameken.com

第7版/新試験対応|決定版 |PMP受験対策 問題集+模擬試験

www.japan-project-solutions.com

こちらの試験問題は、実際の試験と同じ時間で模擬試験が可能なため、利用いたしました。



PMPを取得することでキャリアアップの手助けになってくれます。合格後も3年毎の更新になるため、スケジュールをたて、PDUを取得が必須となります。 PMPの取得をするためのPMBOKを学ぶことによって、プロジェクトの標準的な考え方ができるようになるので、プロジェクトマネージャーを目指す方にはぜひおすすめです。

ありがとうございました。

プロジェクトの進め方(1/ 2)

はじめに

プロジェクトとは、独自のサービス、所産を生み出すための有期的な業務になり、価値を提供できるサービス、所産を生み出すことが目的となります。

今回は、プロジェクトの進め方や注意事項について、解説していきます。

プロジェクトの流れ

プロジェクトの開始から終了までの流れを5つの分類にして定義しています。 5つのプロセスについて解説していきます。

1. 立ち上げプロセス

立ち上げプロセスは、最初のプロセスとなります。このプロセスの中では、最初に着手することになるのは、「プロジェクト憲章」の作成です。プロジェクト憲章とは、プロジェクトの存在を正式に認可するために必要な文書です。プロジェクト憲章はプロジェクトマネージャーが作成し、スポンサーが承認することによって、プロジェクトは正式に認可されます。  また、プロジェクト憲章には、下記の項目が必要となります。

  • プロジェクト目標(KPI:重要業績指標などの測定可能なプロジェクト目標や成功基準)
  • ステークホルダー
  • 制約条件(要求事項、納期、予算、終了基準等)
  • 全体リスク(経済情勢、業界動向などのプロジェクト単体でコントロールできないリスク)


2. 計画プロセス

計画プロセスでは、初めにステークホルダーの要求事項を明確にすることが必要です。立ち上げ段階で上がってきた要求事項をさらに集めて要求事項文書と呼ばれる要求事項の一覧を作成します。集めるツールとしては、ブレーンストーミングやインタービュー等で要求事項を集めていきます。各ステークホルダーにあった方法で収集することにより、ステークホルダーの満足度が上がり、プロジェクトの進行にスムーズに進めることができます。次に、要求事項から成果物を定義し、プロジェクトスコープ記述書を作成していき、成果物を管理しやすい段階まで、細分化し、WBSを作成していきます。また、WBSはアクティビティまで落とし込むと管理が難しくなるため、ワークパッケージまでに留めておきましょう。  次に作成した、WBSのワークパッケージを構成しているアクティビティを定義し、アクティビティの一覧作成し、順序を定義していきます。この時にアクティビティごとに依存関係があるためそこには注意して作成していきます。  ここまでできた段階でようやく見積もりができるようになります。見積もりについては、各アクティビティに対して必要な資源と所要期間を見積もり予算を立てていきます。この時に、プロジェクトのリスクも併せて考えて、予備費用を設定しておくと発生したリスクに対して利用することが可能です。予算が作成された時にクリティカル・パス法等を利用して、スケジュールを作成していきます。スコープ・スケジュール・コストが大まかに決まった後に、品質マネジメント計画、リスクマネジメント計画を作成していきます。その後にプロジェクト計画書を作成し、資源の調達計画へと進んでいきます。全てが整った段階で、計画段階を終了し、キックオフMTGが開催されます。

まとめ

今回は、5つのプロセスのうち、立ち上げプロセスと計画プロセスについての流れを解説いたしました。 実際のプロジェクトでは、要求事項を一から開発ベンダーと作成していく場合もあります。ここに書かせていただいたのは、一つの事例となります。次回の記事の中では、後の3つのプロセスについて解説をしていきます。

ありがとうございました。

【プロジェクトマネジメント】開発アプローチ ~ 予測型と適応型 ~

はじめに

開発アプローチとは、プロジェクトのライフサイクル中にプロダクト、サービス、または所産を創出して発展させるために使用される手段になります。一般的に利用されるアプローチには予測型適応型ハイブリッド型の3つがあります。各アプローチの特徴を理解し、実行するプロジェクトに適応した開発アプローチを選択していくことでより良い成果を生み出すことが可能となっていきます。

後述より、各開発アプローチについて記述していきます。

予測型(ウォーターフォール

概要

予測型アプローチ(以降、ウォータフォール)は、別名「ウォータフォール」「従来型」と呼ばれてます。「ウォータフォール」とは、日本語で "滝" を意味しており、プロジェクトの工程を上から下に向かって順次移行していくアプローチとなります。基本的には、"滝" と一緒で、下から工程が巻き戻ることを想定していないため、次工程に行った後に手戻りはしないことが重要となっていきます。とはいえ、案件の多くは最初に全てを決めきれないで巻き戻ることが多くなるため、大きな巻き戻りがないように進めることが考えていく必要があります。

特徴

ウォーターフォールでは、上記のように開発工程が別れており、基本のルールとして、上流の工程から下流の工程に流れていきます。各工程の終了時に各担当者(ステークホルダー)からの合意を得てから次の工程に移行していきます。
また、構造がわかりやすくなっており、進行も直感的になります。成果物に対しては、最初に定義するため、様々な状況からの変更が発生しやすいプロジェクトには弱い点があります。

向いているプロジェクト

原則として、要求事項等の変更がされないようなプロジェクトが、ウォータフォールは向いています。また、各工程でのレビューもあるため品質自体が高く要求されるプロジェクトにも向いているといえるでしょう。



適応型(アジャイル

適応型アプローチ(以降、アジャイル)は、別名「アジャイル」と呼ばれます。アジャイルには、「素早い」「俊敏な」という意味があり、短いスパンでの成果物の生成に向いています。アジャイルにはアジャイルマニュフェストと呼ばれる原理が定義されております。

アジャイルマニュフェスト(一部抜粋)

プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、

つまり、「対面のコミュニケーション」を大事にすることで相互理解を深めより良いチームづくりをし、素早い「実働検証」をすることで、より良い成果を生み出すことができ、「顧客との協調」を図ることでプロジェクトの目的に応じた成果に直結したプロセスを構築することができる。また、「顧客のニーズや市場の変化を脅威ではなく、好機として捉える」機会とすることでより良いサービス、所産の創造が可能となります。  従来の予想型のアプローチの場合は、予想できないサービス、所産等に対応することは適合しない場合が発生しますが、適応型アプローチをすることでチーム全体がプロジェクトに対して、責任をもちオーナーシップが育まれることにより、最適な成果の創造が可能となります。

向いているプロジェクト

アジャイルプロジェクトでは、要件が明確に定まっていないプロジェクトや顧客側のビジネス状況により変更が発生する可能性があるプロジェクトに向いています。



まとめ

開発アプローチには、予測型、適応型が存在し、それを複合的にしたハイブリッド型の3つのアプローチが プロジェクトによって、適応する開発アプローチの選択が必要になる。

各アプローチには、プロジェクトごとに向き不向きがあり、プロジェクトにあった開発アプローチを選定していくことが価値を生み出すことに重要なことになります。 各開発アプローチの説明は、別記事にまとめていきたいと思います。

参考図書



ありがとうございました。

【PMBOK第7版】テーラリング

はじめに

 テーラリングとは、直訳すると「仕立て」という意味になります。プロジェクトマネジメントにおけるテーラリングは、プロジェクトの様々な状況に適合させることになります。

 テーラリングは、指針となる「プロジェクトマネジメントの原理・原則」、「組織の価値観」、「組織文化」によって実施されます。顧客が求める事柄や価値観を適切に判断し、プロジェクトをテーラリングすることによってプロジェクトの価値を最大限に高めることが可能となります。

後述より、テーラリングが可能なプロジェクト項目とテーラリングのプロセスを記載していきます。



テーラリングが可能なプロジェクト項目

#1 ライフサイクルと開発アプローチの選定

プロジェクトの規模や成果物によって、予測型、適応型、ハイブリッド型を選択する。 また、一つのプロジェクト内でも項目やプロセスによって、開発アプローチを分けることもあります。

#2 プロセス

選定したライフサイクル及び開発アプローチに合わせて、実施する要素をテーラリングする。

#3 エンゲージメント

プロジェクトに関わる人のエンゲージメントを適切にする。

#4 ツール

プロジェクト・チームがプロジェクトに使用するツールを選定する

#5 方法と作成物

プロジェクトの成果物の作成方法や、成果物を最適化する。

テーラリングを実施するプロセス

テーラリングを行う前に、プロジェクトの環境を分析して理解する必要があります。理解を進めてテーラリングをすることにより、よりプロジェクトの成果を高めることが可能となります。

(1)開発・実施アプローチの選択
(2)組織に合わせてテーラリングを実施
(3)プロジェクトに合わせてテーラリングを実施
(4)継続的に監視し、改善を実施





  • テーラリングとは、プロジェクトに合わせて、「ライフサイクルと開発アプローチの選定」、「プロセス」、「エンゲージメント」、「ツール」、「方法と作成物」を最適化することである。
  • テーラリングを実施するには、プロジェクト環境を分析し、理解することが重要である
  • テーラリングは一度ではなく、継続的に監視をし、改善していくことが必要である。

 テーラリングは、プロジェクト・マネジメントにとても大切なことになります。プロジェクトを実施時の、環境によって、同じ成果物を作成する場合でも全く別のアプローチが必要になってくる場合があります。

ありがとうございました。

【PMBOK第7版】プロジェクト・パフォーマンス領域

はじめに

 プロジェクト・パフォーマンス領域は、プロジェクトマネジメントの原理・原則に基づいて実施されます。プロジェクトマネジメントに記載されているように、原理・原則とは基本的な基準、真実、または価値観です。原理・原則は、プロジェクトに関与する人が、意図した成果を生み出すことを目的としてパフォーマンス領域に影響を与えたり、それを形成したりする際の行動の指針となります。原理・原則とパフォーマンス領域には概念的な重複はあるが、原理・原則は行動の指針となる一方で、パフォーマンス領域はその行動を示すための広範な注力領域を提示します。

プロジェクト・パフォーマンス領域とは

 プロジェクト・パフォーマンス領域とは、プロジェクトの成果を効果的に提供するために不可欠な、関連する活動である。プロジェクト・パフォーマンス領域は、相互に作用し、相互に関連し、相互に依存する重点領域であり、望ましいプロジェクトの成果を達成するために運動している。

後述より、8つのプロジェクト・パフォーマンス領域について、記載していきます。

#1 ステークホルダー・パフォーマンス領域

ステークホルダーに関連した活動と機能に対処する。

#2 チーム・パフォーマンス領域

ビジネス成果を実現するプロジェクトの成果物を生み出す責任を負う人に関連付けられた活動と機能に対処する。

#3 開発アプローチとライフサイクル・パフォーマンス領域

プロジェクトの開発アプローチ、ケイデンス、およびライフサイクル・フェーズに関連する活動と機能に対処する。

#4 計画パフォーマンス領域

初期、継続中、進化中のプロジェクト組織に関連した活動と機能、およびプロジェクトの成果物と成果を提供するために必要となる調整を扱う。

#5 プロジェクト作業パフォーマンス領域

プロジェクト・プロセスの確立、物的資源のマネジメント、学習環境の強化に関する活動と機能を扱う。

#6 デリバリー・パフォーマンス領域

プロジェクトが達成を目指したスコープと品質の提供に関連する活動と機能を扱う。

#7 測定パフォーマンス領域

プロジェクトのパフォーマンスを評価し、受入れ可能なパフォーマンスを維持するための適切な行動を取ることに関連する活動と機能に対応する。

#8 不確かさパフォーマンス領域

リスクと不確かさに関連する活動と機能に対応する。



  • プロジェクト・パフォーマンス領域とは、プロジェクトの成果を効果的に提供するために、不可欠な関連する活動である。
  • プロジェクト・パフォーマンス領域は、相互に作用し、関連し、依存する重点領域であり、成果を達成するために連動している。

 12の原理・原則の他に、意図した成果の提供を実現するために、8つのパフォーマンス領域が存在します。このパフォーマンス領域の中には、成果を達成させるための方法が記載されてます。また、各パフォーマンス領域の別で説明をしていきたいと思います。

ありがとうございました。

it-chameleon.hatenablog.com

【PMBOK第7版】プロジェクトマネジメントの原理・原則

はじめに

 以前までは成果物が予測可能なプロジェクトが多かったため、PMBOKの第6版以前は、プロセスベースの標準を表してきてました。しかし、昨今進化を続けているテクノロジーや多種多様なステークホルダーといったことが多くなってきており、予測できないプロジェクトも多くなってきました。そのため、以前までのプロセスベースでは、価値を実現する方法としては、維持することができなくなってきました。そのため、効果的なプロジェクトマネジメントを支援するため、成果物よりも意図した成果を重視するようになっていき、原理・原則ベースでの記載に変更されました。

後述より、12の原理・原則について、記載していきます。

原理・原則

プロジェクトマネジメントの原理・原則は指針を提供することに留まり、適用範囲は、プロジェクトの状況等によって異なります。

スチュワードシップ

「勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること」

チーム

「共同的なプロジェクト・チーム環境を構築すること」

ステークホルダー

ステークホルダーと効果的に関わること」

価値

「価値に焦点を当てること」

システム思考

「システムの相互作用を認識し、評価し、対応すること」

リーダーシップ

「リーダーシップを示すこと」

テーラリング

「状況に基づいてテーラリングすること」

品質

「プロセスと成果物に品質を組み込むこと」

複雑さ

「複雑さに対処すること」

リスク

「リスク対応を最適化すること」

適応力と回復力

「適応力と回復力を持つこと」

変革

「想定した将来の状態を達成するために変革できるようにすること」


  • 予測できないプロジェクトへの価値を提供するため、プロセスベースから原理・原則ベースに変更された
  • プロジェクトマネジメントに効果的な12の原理・原則がある

 12の原理・原則は、予測できないプロジェクトに対しての事柄に多く触れられています。また、プロジェクトマネジメントの12の原理・原則は、 成果 に焦点を当てています。プロジェクトは、人による人のためのものであり、プロジェクトマネジメントは、状況に応じて柔軟に遂行していくことが大切です。

ありがとうございました。

【PMBOK第7版】プロジェクトとは

はじめに

 最近は、多様な技術が生まれプロジェクト自体が複雑化している。プロマネの仕事も多種多様でプロジェクト開始時には困っている話をよく聞きます。
 そのような状況の中で、プロジェクトマネジメントの標準として、提唱されているPMBOKについてまとめてみました。

PMBOKとは

 PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、米国のPMI(Project Management Institute)という非営利団体が提唱しているプロジェクトマネジメントにおける標準を定義したものです。PMBOKは、米国のみならず、日本や中国と世界標準の教典となってます。

PMBOKの目的とは

 PMBOKの目的は、プロジェクトマネジメントを理解するための基礎知識を提供し、プロジェクトの価値を最大限に高めることです。

プロジェクトとは

PMBOKには、「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務である」と定義されています。
 ここで、定義されている独自のプロダクト、サービス、所産は、成果物のことであり、有期性とは、プロジェクトの作業や作業フェーズに明確に始まりと終わりがあることを指します。そのため、プロジェクトとは、定められた期間の中で、独自性のある成果物を創造する業務の事を指します。

  また、第7版からは、「価値の創出」をプロジェクトの目的としており、第6版で定義づけされていたQCD(品質・費用・納期)の達成から変更されております。しかしながら、QCDの達成は必要不可欠なものであります。



  • PMBOKはプロジェクトマネジメントの標準を定義したもの

  • PMBOKの目的は、プロジェクトマネジメントの基礎知識を提供して価値を最大限にすること

  • プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を想像するために、実施される有期的な業務

  • プロジェクトの目的は、価値の創出にある

 第7版では、価値の創出に力を入れており、以前のウォーターフォールをベースとしたプロセスベースから大きな変更が入っておりました。しかしながら、プロセスベースを否定するものではなく、プロセスから原理・原則ベースに変わり、幅広いアプローチが可能となりました。

ありがとうございました。